2010年4大事務所のパートナートラック

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2008年に引き続き、「ジュリナビ」は、西村あさひ、長嶋・大野・常松、森・濱田松本、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の4大事務所のパートナートラックの調査を行った。リーマンショックは、英米法律事務所の経営に大きなダメージを与え、多数のパートナーやアソシエイトが離職を余儀なくされ、新規弁護士採用も大きく落ち込んだ。今回の調査で判明したことは、経営内容に受けた影響はともかく4大事務所は、人員を減らすこともなくリーマンショックを乗り越えているように見える。特に4大事務所の新規弁護士採用は、西村あさひの60期の大量採用を除けば、あまり影響を受けなかったとみられる。特に西村あさひのレバレッジレイシオは、2008年の3.7から2010年は4.2に高まっており、依然アソシエイトの採用にこの間積極的であったことがわかる。一方、他の3大事務所のレバレッジレイシオは、この2年間でほぼ変化がなかった。また、アソシエイトの離職率も以下の表のように英米の事務所と比べ小さかったと言える。我が国の法律事務所では、法曹人口が少なかったせいもあり、人材の移動が少ない。ここ2,3年の新司法試験制度下の新人法曹の潤沢な供給の恩恵を4大事務所は受けていると言える。
4大事務所のそれぞれの最年少パートナーと最年長アソシエイトの期別の比較は表の通りである。各事務所ともアソシエイトの滞留期間は、英米の法律事務所(約7、8年)と比べ12、13年と長い(この選抜期間にパートナーになれなかったアソシエイトは、その事務所を去らなければならない)。その意味ではわが国の4大法律事務所の若手弁護士間の競争はまだそれほど激しくはないのであろう。しかし、今後はアソシエイトの大量採用が通例となったためパートナーになるのは一層難しくなるであろう。

もっとも、大量採用の4大事務所のアソシエイトは終身雇用が約束されるわけではなく、同期でパートナーが出てくれば、パートナーになる見込みがなければ退職し別の道を探さなければならない。新司法試験の下の大量採用のアソシエイトが今後これらの事務所でどのような処遇を受けるのか、法科大学院生は注視する必要があるであろう。

なお、弁護士事務所のパートナートラックの概要説明については、2008年「4大事務所のパートナートラック」を参照されたい。

<58、59、60期アソシエイト数の比較(2008年7月・2010年6月)>

(The Rainmaker)

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