ジュリナビ主要法律事務所研究 ~目で見る4大事務所比較~

major-law-firms
目で見る4大事務所比較

 西村あさひ、長島・大野・常松、森・濱田松本、アンダーソン・毛利・友常のいわゆる4大事務所のホームページ公表データをもとに、各事務所の視点とは異なる視点でデータ分析を行ってみた。法科大学院生やリーガルサービス利用者(企業)も含め、我々は、我が国の法律事務所の内容につき十分な情報を得ているとは言えない。4大事務所についての情報も例外ではない。当然、我々に合理的な比較検討はできるはずもない。弁護士事務所への就活や実際の仕事の依頼に当たりこうした情報不足は困ったものである。従来型の閉ざされた弁護士業界の体質改善は、弁護士自身が情報を関係者に十分に開示しないことでかえって利益を受けているせいか全く進んでいない。

 しかし、高度情報化の波により、我々は、様々な手段でこれまで入手ができなかった情報をウェブ検索で比較的容易に手にすることができるようになった。ジュリナビの設立目的の一つは、弁護士業界を含めたリーガルマーケットの情報の流通をジュリナビのプラットフォーム経由促進することである。欧米と比べ相当に遅れているリーガルマーケット情報の開示と流動化の手始めとして4大事務所のデータ比較を試みることにした。勿論、ホームページ公表データを基にしているため、残念ながら個別の数字に取り立てて新しいことはない。しかし、各弁護士事務所の公表とは別の視点でデータを見ること、比較することで、これまで気付かなかった事務所像が見えてくることもある。我々としては、客観的なデータを読者に提供し、その解釈は読者に任せることとしたい。今回のデータ公表を機に4大事務所が我が国の弁護士業界の先陣を切って、専門業務や組織内容に限らず、財務内容、事業収益率など欧米並みに更なる情報公開を進めてくれることを期待している。

何故4大事務所か?

 現在、4大事務所の弁護士総数はやっと1千名を超える程度である。世界的に見れば所属弁護士総数が単独でも1千名を超える法律事務所が相当数存在している中で、我が国の経済規模からしても、それぞれ決して事務所規模は大きいとは言えない。我が国最大の西村あさひでも上位100位にもランクインできない。EUやロシアで見られる英米系事務所の進出は、弁護士業界主導の頑強な規制強化で抑えられた結果、現状では極めて限られている。長年の保護政策により、我が国の弁護士事務所の国際競争力は十分に育たず、国内で4大事務所と標榜しても内弁慶であり世界市場でのプレーヤーというには程遠い。

 しかし、それでもようやく我が国の企業の法務ニーズを満たすような体制にはなってきたといえるのであろう。そういう意味で我が国の弁護士業界(特に企業取引分野で)の中核を担ってきている。

 4大事務所のそれぞれが共通していわゆる渉外事務所を核にして規模を拡大してきた。注目すべきは、法科大学院制度を通じた新しい法曹養成制度開始後、4大事務所は新人採用を積極的に進めたことである。しかし、直後、2008年にリーマンショックがあり、世界的な景気低迷による弁護士業務の大幅な減少が4大事務所にも影響し、一挙に横並びでコンサーバティヴな成長戦略になっている。数字で見ればわかるように森・濱田松本を除いて各事務所はアソシエイトをここ数年減らし続けている。但し、パートナー数は、抑制しつつも漸増している。その結果レバレッジレイシオは低下し続けている。4大事務所のレバレッジレイシオは世界の主要法律事務所と比べ低く、更にこの差が大きくなっている。もちろん、レバレッジレイシオは業務内容の違い、務所パートナーの収益性や事務所内の競争度合いの違いを反映しているのであり、どういう数値が正しいということではないが、各事務所の特徴を反映している。レバレッジレイシオが低ければ、将来パートナーになれる可能性が高くなるかもしれない。一方パートナー個人の収入は抑制的になることも在り得る。
繁忙期に数の少ないアソシエイトに業務のしわ寄せがくる可能性もある。レバレッジレイシオが髙ければ、事務所の収益性が高くなるであろう。しかし、事務所内でパートナー競争は激しくなるであろう。クライアントにとり競争のある事務所の方に魅力があるかもしれない。

所属弁護士数等

  西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
パートナー 93 83 95 86
アソシエイト 310 237 206 191
その他 81 31 33 41
合計 484 351 334 318

  西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
2009年 472 339 301 290
2010年 489 352 312 309
2011年 474 343 320 310
2012年 467 334 308 314
2013年 484 351 334 318

  西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
2009年 321 234 193 188
2010年 345 240 191 203
2011年 351 248 204 211
2012年 339 232 201 212
2013年 310 237 206 191

  西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
2009年 81 67 72 66
2010年 83 73 87 72
2011年 91 79 92 80
2012年 95 82 95 86
2013年 93 83 95 86

  西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
2009年 4.0 3.5 2.7 2.8
2010年 4.2 3.3 2.2 2.8
2011年 3.9 3.1 2.2 2.6
2012年 3.6 2.8 2.1 2.5
2013年 3.3 2.86 2.17 2.22

  西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
男性 389 288 275 241
女性 95 63 59 64
合計 484 351 334 318

  西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
男性 83 73 85 81
女性 10 10 10 5
合計 93 83 95 86

  西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
男性 243 188 168 136
女性 74 49 38 55
合計 317 237 206 191

  4大事務所全体
男性 1193
女性 281
合計 1474
何故4大事務所か?

 最近になり、4大事務所は東京以外の国内の主要都市やアジアのいくつかの主要都市に事務所を開設するようになってきている。しかし、複数事務所の開設や海外事務所の開設は、例えば、米国ではすでに80年代には本格化していた。世界の有力法律事務所は、70年代から自己の顧客の国内外の事業展開に応じてより良いリーガルサービスを提供すべく複数事務所や海外事務所を開設し、人員を配置してきた。一方、我が国の4大事務所は、我が国企業が海外進出を本格化した80年代に、事務所間の競争がないため東京に閉じこもってきた。ようやく、ここにきて国内外の競争に晒され東京以外に拠点を設けクライアントのニーズに応えようとしている。しかし、これら地域での国際的に有力な法律事務所の海外進出は終わっており、国際プレーヤーにはなれず既存の日本企業クライアントを後追いしている状況である。今後どこまで4大事務所の国内地方事務所や海外事務所が力をつけてくるのか、海外では国際的プレーヤーとの競争があり、また、パイの限られた地方マーケットで地方の地場の法律事務所との競争があり、これまでのような4大事務所で安定してシェアを分け合うことは難しくなるであろう。

4大事務所パートナーへの道とジェンダー格差

 4大事務所それぞれで、一定の期(入所後約10年)を境にアソシエイトの数が激減する。
各事務所ともおおむね、”Up or Out”(一定年度でパートナーになれるものが決まり、なれないものは事務所を去る)が、海外の法律事務所と同じように慣行となっているようである。この”Up or Out”によりアソシエイト選別が行われ事務所全体のリーガルサービスの質が担保されることになる。但し、4大事務所を含め我が国の弁護士間の競争は、海外の主要法律事務所と比べ微温的であり、パートナーになる確立は高い。しかし、法曹人口の増加や企業の組織内弁護士の活用でリーガルマーケットでの競争圧力は高まってきているので4大事務所が、国内で寡占状態を続けこれまで通りのパートナー選別を続けることは難しくなるのではなかろうか。

4大事務所のそれぞれの女性比率はおおむね同一であり、男女比は法曹全体の比率と大きな差はない。一方、各事務所とも女性のパートナーの割合は著しく低い。法科大学院制度ができたのち女性法曹の数は増えつつあるが、4大事務所は積極的に女性弁護士を採用するのではなく女性法曹の数の反映している程度である。いかに我が国の弁護士業界が男性社会になっているかがわかる。我が国の女性の社会進出度は世界的に見て極めて低いことが様々な統計データに表れているが、弁護士業界は最も性差別に敏感で、先進的に女性の社会進出のモデルとなるべきであり男女共同参画が進むはずなのに現状は程遠いようである。男女のジェンダー格差は、このままでは法曹界においてなくならないであろう。勿論、往々に激務を伴う弁護士業務は、女性の出産、育児の障害になることもあるが、弁護士業では様々な働き方が可能なはずである。4大事務所で女性のパートナー昇進が進んでいくのか今後とも数字を追っていきたい。

  西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・毛利・友常 全体 割合
東京大学法科大学院 80 52 78 66 276 18.6%
慶應義塾大学法科大学院 28 17 14 18 77 5.2%
早稲田大学法科大学院 14 19 10 13 56 3.8%
京都大学法科大学院 14 16 11 2 43 2.9%
一橋大学大学院法学研究科 6 5 8 2 21 1.4%
中央大学法科大学院 5 3 4 0 12 0.8%
明治大学法科大学院 1 0 1 1 3 0.2%
大阪大学法科大学院 0 2 1 0 3 0.2%
九州大学法科大学院 1 1 0 0 2 0.1%
神戸大学法科大学院 0 0 1 1 2 0.1%
学習院大学法科大学院 1 0 0 0 1 0.1%
北海道大学大学院
法学研究科
0 1 0 0 1 0.1%
同志社大学法科大学院 0 1 0 0 1 0.1%
名古屋大学法科大学院 0 1 0 0 1 0.1%
大宮法科大学院大学 0 0 1 0 1 0.1%
東京都立大学法科大学院 0 0 1 0 1 0.1%
4大事務所の学閥

 4大事務所は弁護士人材の最も優秀な部分を採用し続けていると認識され、高い初任給はそういった人材の確保を可能としている。所属弁護士の出身大学を見てみると東大出身者がそれぞれの事務所とも過半数を占めており、早慶、京都大と続き、そのほかの大学はそれぞれ少数に留まっている。いわゆる我が国の大学偏差値カーストを表したような人材構成になっていることがわかる。特に、MARCH以下は存在せず、法曹の中で比較的多数を占めているはずの中央出身者がきわめて少ないのが目につく。
 一方、法科大学院制度が発足して以降、これまでの東大主流が崩れ始めているのが注目される。これまで大学としては採用されていなかった大学の法科大学院出身者も採用対象となってきているのが目につく。4大事務所が数は限られるとはいえ相当数の新人弁護士を採用することになり、これまで採用対象にならなかった法科大学院修了生も採用の対象になってきたのである。数はまだ少ないとはいえ人材に多様性が増し、好ましいことである。
 4大事務所については法曹界への主要な人材供給である京大は、早慶と比べ目立たないことが目を引く。関西の法科大学院も全般的に採用数が少ないところを見ると、京大=関西のローカル性から4大事務所の業務への新卒の関心が薄いのであろうか。今後、法科大学院出身者がパートナーになる段階でどの法科大学院が勝者になるのか注目される。現在の4大事務所の新人採用を見る限り、新人採用数で頭角を現してきている慶應が今のところ法科大学院制度の恩恵を最も受けているようである。

事務所全体 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
留学経験なし 243 169 197 159
留学経験あり 214 182 121 143

パートナー 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
留学経験なし 17 5 29 19
留学経験あり 76 58 66 67

アソシエイト 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
留学経験なし 210 150 160 116
留学経験あり 107 87 46 75

全事務所 全体 パートナー全体 アソシエイト全体
留学経験なし 768 70 636
留学経験あり 660 287 315
4大事務所の海外留学事情

 4大事務所は、それぞれ程度の差こそあれ、いわゆる渉外事務所を核として発展してきた。我が国の弁護士事務所の国際レベルはともかく、国内で行われる渉外業務の多くは4大事務所がほぼ独占状態といってもいいであろう。では4大事務所で渉外業務を行う人材はどのようなものであろうか。海外留学経験者や帰国子女でもない限り、我が国の法曹養成制度ではいわゆる渉外弁護士は極めて育ちにくい。そこで長年4大事務所を中心に若手弁護士が海外留学し、語学力と国際業務関連の法律知識を習得してきた。
 入所後約数年で海外留学のチャンスを与えられるので、アソシエイトでの海外留学ということになり国内業務を専門とする弁護士は別だが、将来渉外業務パートナー候補への第一段階となる。長島・大野・常松のパートナーの海外留学経験者は94%になる。ほぼ全員が海外留学経験者である。他の事務所も歴史的に国内事務所と統合の経緯などがあり、長島・大野・常松ほどではないが、それでも4大事務所の約80%のパートナーが海外留学経験者である。我が国では官公庁、企業でも若手人材を海外留学させ、国際性を身に着けさせる慣行があるが、4大事務所では極端な形でそういった慣行が定着している。また、本当に必要性があるか否かは別として海外留学を経験することはパートナーになるひとつの条件に事実上なっていると言っても過言ではないであろう。

 いずれにせよ高額な若手弁護士の留学費用(不在中のコストも含め)は、最終的にはクライアントに弁護士費用として負担が回ってくるのである。最近はクライアント側も自身の社員を海外留学させ弁護士費用の抑制を図っている。4大事務所の海外留学慣行がそのまま続くのか興味深いところである。
 4大事務所の弁護士の留学先は圧倒的に米国が多い。これは米国のロースクールが積極的に海外からの留学生を受け入れる体制をとってきたとういう背景、及び、これまで米国との経済関係が最も深く渉外業務としても米国関係のものが多数を占めてきたという背景があるからであろう。米国ロースクールの中では、ハーバード大学とコロンビア大学がほぼ同数で並びとびぬけて多い。両校とも日本法研究を行うプログラムを持ち、日本との関係を持っていることが多数の留学生を受け入れる素地となっていると言えよう。

  西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・毛利・友常
留学者数 76 78 66 67

留学先 人数 割合
ハーバード大学ロースクール 57 19.9%
コロンビア大学ロースクール 56 19.5%
ニューヨーク大学ロースクール 34 11.8%
シカゴ大学ロースクール 17 5.9%
コーネル大学ロースクール 15 5.2%
ワシントン大学ロースクール 12 4.2%
スタンフォード大学ロースクール 9 3.1%
デューク大学ロースクール 9 3.1%
ペンシルバニア大学ロースクール 9 3.1%
カリフォルニア大学バークレー校ロースクール 7 2.4%
南カリフォルニア大学ロースクール 6 2.1%
ノースウェスタン大学ロースクール 5 1.7%
バージニア大学ロースクール 5 1.7%
ミシガン大学ロースクール 5 1.7%
ロンドン大学ユニバーシティカレッジロースクール 5 1.7%
オックスフォード大学ロースクール 4 1.4%
ジョージタウン大学ローセンター 4 1.4%
カリフォルニア大学ロサンゼルス校ロースクール 3 1.0%
サザンメソジスト大学ロースクール 3 1.0%
カリフォルニア大学デービス校ロースクール 2 0.7%
カリフォルニア大学デービス校ロースクール 2 0.7%
ケンブリッジ大学ロースクール 2 0.7%
スタンフォード大学ビジネススクール 2 0.7%
ボストン大学ロースクール 2 0.7%
ルーヴェン・カトリック大学 1 0.3%
アメリカン大学ロースクール 1 0.3%
イェール大学ロースクール 1 0.3%
イリノイ大学アラバマ校ロースクール 1 0.3%
イリノイ大学ロースクール 1 0.3%
ヴァージニア大学ロースクール 1 0.3%
ケルン大学ロースクール 1 0.3%
チューレーン大学ロースクール 1 0.3%
サンディエゴ大学ロースクール 1 0.3%
ジュネーブ国際大学 1 0.3%
ジョージワシントン大学ロースクール 1 0.3%
フォーダム大学ロースクール 1 0.3%
ミュンヘン大学ロースクール 1 0.3%

4大事務所総計―パートナー出身大学、アソシェイト出身大学、出身法科大学院ランキング(中退含む)

パートナー

大学名 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・毛利・友常 全体 割合
東京大学 62 63 63 67 255 17.1%
早稲田大学 10 9 9 4 32 2.2%
慶應義塾大学 9 3 11 5 28 1.9%
京都大学 4 2 6 5 17 1.1%
一橋大学 3 3 4 2 12 0.8%
中央大学 2 1 2 3 8 0.5%
青山学院大学 1 0 0 0 1 0.1%
筑波大学 1 0 0 0 1 0.1%
東北大学 1 1 0 0 2 0.1%
大阪大学 0 0 0 0 0 0.0%
上智大学 0 0 0 0 0 0.0%
同志社大学 0 0 0 0 0 0.0%
神戸大学 0 0 0 0 0 0.0%
東京都立大学 0 0 0 0 0 0.0%
立教大学 0 0 0 0 0 0.0%
津田塾大学 0 0 0 0 0 0.0%
北海道大学 0 0 0 0 0 0.0%
九州大学 0 0 0 0 0 0.0%
専修大学 0 0 0 0 0 0.0%
学習院大学 0 0 0 0 0 0.0%
国際基督教大学 0 0 0 0 0 0.0%
法政大学 0 0 0 0 0 0.0%
千葉大学 0 0 0 0 0 0.0%
神戸大学 0 0 0 0 0 0.0%
立教大学 0 0 0 0 0 0.0%
東京都立大学 0 0 0 0 0 0.0%
立命館大学 0 0 0 0 0 0.0%
北海道大学 0 0 0 0 0 0.0%
大阪市立大学 0 0 0 0 0 0.0%
名古屋大学 0 0 0 0 0 0.0%
岡山大学 0 0 0 0 0 0.0%
米国ネバダ大学リノ校 0 0 0 0 0 0.0%
ロンドン大学 0 0 0 0 0 0.0%
カリフォルニア大学ロサンゼルス校 0 0 0 0 0 0.0%

アソシエイト

大学名 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・毛利・友常 全体 割合
東京大学 150 109 114 105 478 32.1%
慶應義塾大学 58 46 35 41 180 12.1%
早稲田大学 37 23 22 17 99 6.7%
京都大学 24 29 15 11 79 5.3%
一橋大学 9 8 7 6 30 2.0%
中央大学 9 4 2 1 16 1.1%
大阪大学 6 3 0 0 9 0.6%
上智大学 4 3 1 0 8 0.5%
同志社大学 3 3 2 0 8 0.5%
神戸大学 3 1 2 0 6 0.4%
東北大学 0 1 0 4 5 0.3%
東京都立大学 3 1 1 0 5 0.3%
立教大学 2 1 1 0 4 0.3%
九州大学 1 2 0 1 4 0.3%
立教大学 2 1 1 0 4 0.3%
北海道大学 1 0 1 1 3 0.2%
不明 3 0 0 0 3 0.2%
名古屋大学 0 1 1 0 2 0.1%
津田塾大学 1 0 0 0 1 0.1%
専修大学 1 0 0 0 1 0.1%
学習院大学 1 0 0 0 1 0.1%
国際基督教大学 0 0 0 1 1 0.1%
法政大学 0 0 0 1 1 0.1%
千葉大学 0 1 0 0 1 0.1%
立命館大学 0 1 0 0 1 0.1%
大阪市立大学 0 0 1 0 1 0.1%
岡山大学 0 0 1 0 1 0.1%
ネバダ大学リノ校 0 0 0 1 1 0.1%
カリフォルニア大学
ロサンゼルス校
1 0 0 0 1 0.1%
ロンドン大学 0 0 0 1 1 0.1%
青山学院大学 0 0 0 0 0 0.0%
筑波大学 0 0 0 0 0 0.0%

4大事務所の人材の多様性

 現在の弁護士業務は単純に法律にのみ精通していてはクライアント側のニーズを満たせない。弁護士事務所に多種多彩な才能や専門性のある人材は必須である。4大事務所の弁護士のいわゆる本来業務以外の経験者はどのくらいいるのであろうか。以下が所属弁護士での官公庁、企業、裁判官、検察官の経験者数(前職だけでなく、任期付き採用や出向経験者を含む)及び割合である。経験先は、当該事務所との業務や人的関係性を示す可能性が大いにある。同時に、特定の企業などとの関係が強ければ、弁護士事務所選定にあたり当該業界に精通していて有用である可能性もあろうが、反対に自身の競合相手であれば利益相反の可能性(特に、海外の主要法律事務所では敏感であるビジネス上の競合関係について日本企業は特に意識が薄いが)も全くないわけではないであろう。欧米の主要事務所は、主要なクライアントや担当した案件に関する情報開示が進んでいるが、我が国では一般には情報の入手が難しい。しかし、限度はあるが、一覧性のある形でデータを取ってみるとそれぞれの事務所の性格や特色もうかがえるので興味深い。4大事務所の中では西村あさひが、人材多様化に最も積極的である。法科大学院制度ができ社会人経験者が弁護士事務所に採用される可能性は以前より高まっている。また、法曹人口の増加により人材市場に厚みが増しており、法曹界以外からの中途採用や出向などの道も以前より広がってきている。弁護士業務に多様なバックグラウンドを持った人材が加わることはリーガルサービスの質を向上させることにつながるので4大事務所が積極的に他業種との人材交流を進めることが期待される。

 一方、弁護士事務所からの中途採用になると、事務所合併の場合を除けば極めて数が限られている。海外では普通の弁護士の引き抜きやヘッドハンティングは、我が国では、リーガルマーケットが狭小で、競争制限的で成り立たないのかもしれない。また、4大事務所間の人材移動が殆ど見られないのは特徴的である。
 4大事務所からの人材移動は主に、”Up or Out”による4大事務所以外の弁護士事務所や企業などへ移動となっている。

東京大学出身者

アソシエイト 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
アソシエイト全体
東大出身 150 109 114 105 478
その他大学
出身
160 128 92 86 466
アソシエイト 310 237 206 191 944

パートナー 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
パートナー全体
東大出身 62 63 63 67 255
その他大学
出身
31 20 32 19 102
パートナー 93 83 95 86 357

全事務所 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
アソシエイト全体
東大出身 212 172 177 172 733
東大以外の大学出身 272 179 157 146 754
事務所全体 484 351 334 318 1487
割合 43.8% 49.0% 53.0% 54.1% 49.3%

官民経験割合

事務所全体 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
国内企業 81 36 23 29
官公庁 38 3 23 26
判事・検事 16 9 3 6
合計 135 78 49 61

パートナー 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
国内企業 14 4 6 14
官公庁 7 12 5 6
判事・検事 7 5 0 3
合計 28 21 11 23

アソシエイト 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
国内企業 58 26 16 14
官公庁 36 18 17 14
判事・検事 1 1 3 1
合計 95 45 36 29

事務所全体 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
全体
官民経験者 135 78 49 61 323
割合 41.8% 24.1% 15.2% 18.9% 100.0%

事務所全体 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
全体
官民非経験 349 273 285 257 1164
国内企業 81 36 23 29 169
官公庁 38 33 23 26 120
官民経験者 16 9 3 6 34
事務所全体 135 78 49 61 323
割合 27.9% 22.2% 14.7% 19.2% 21.7%
西村あさひ 国内勤務企業
(株)三井住友銀行
三菱東京UFJ銀行
みずほ証券(株)
日本開発銀行
(株)日本政策金融公庫 国際協力銀行
(株)日本興業銀行
ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社
SBIホールディングス(株)
三菱地所投資顧問(株)
三井物産企業投資(株)
国際協力銀行
大和証券(株)
三菱商事(株)
三井物産(株)
双日(株)
丸紅(株)
KDDI(株) 
(株)東芝
野村不動産ホールディングス(株)
東日本旅客鉄道(株)
東海旅客鉄道(株)
朝日監査法人(現あずさ監査法人)
新日鐵住金(株)
常和ホールディングス(株)
北美智権(株)
(株)大和総研
監査法人トーマツ
ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(株)
(株)シーエーシー
COMSOL, Inc
証券取引等監視委員会
社団法人日本仲裁人協会事務局
東京証券取引所自主規制法人
(財)知的財産研究所
(株)東日本大震災事業者再生支援機構 
(株)地域経済活性化支援機構
(株)企業再生支援機構
(株)格付投資情報センター

森濱田松本 国内勤務企業
(株)東京三菱銀行(当時)
(株)三井住友銀行
(株)日本長期信用銀行
日興シティ信託銀行(株)
(現野村信託銀行(株))
(株)国際協力銀行
(株)日本政策投資銀行
シティバンク銀行(株)
スタンダードチャータード銀行
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(株)
みずほ証券(株)
アメリカンファミリー生命保険会社
(株)東京証券取引所
三井物産(株)
三菱商事(株)
伊藤忠商事(株)(欧州)
川崎製鐵(株)
ソニー(株)
三井不動産投資顧問(株)
新日鉄興和不動産(株)
中央青山監査法人
モバイル・インターネットキャピタル(株)

アンダーソン毛利友常 国内勤務企業
日本銀行
日本政策投資銀行
(株)三井住友銀行
(株)三菱東京UFJ銀行
みずほ銀行ロンドン現地法人
(株)企業再生支援機構
野村証券(株)
日本銀行金融研究所
(株)長銀総合研究所
安田火災海上保険(株)(現 (株)損害保険ジャパン)
東日本旅客鉄道(株)
三菱商事(株)
読売新聞
(株)日立製作所
(株)博報堂
NECソフト(株)
その他

長島大野常松 国内勤務企業
金融庁
経済産業省
国土交通省
財務省
通商産業省
法務省
首相官邸
内閣府国民生活局
公正取引委員会事務局
日本銀行金融研究所
日本銀行政策委員会室
京都大学大学院医学研究科「医学領域」産学連携推進機構
証券取引等監視委員会
東京大学法学部
三洋電機(株)
ソフトバンクモバイル(株)
トヨタ自動車(株)
日本電信電話公社
パナソニック(株)
三井物産(株)
三菱商事(株)
住友商事(株)
安田火災海上保険(株)(現 (株)損害保険ジャパン)
(株)TOKYO AIM取引所 社外監査役
(株)ボストン コンサルティング グループ
(株)ミクシィ
(株)三井住友銀行(旧 (株)住友銀行)
(株)鷹山
(株)電業社原動機製造所
(株)東京証券取引所
(株)日本政策投資銀行
監査法人トーマツ
三菱UFJ信託銀行(株)
三菱化成工業(株)
太田昭和監査法人(現 新日本有限責任監査法人)
大手電機メーカー知的財産部門
大和証券SMBC(株)
大和証券(株)
東京海上火災保険(株)
東京三菱銀行(現 東京三菱UFJ銀行)
日本生命保険相互会社
富士通(株)
野村證券(株)
IBMビジネスコンサルティングサービス(株)
あずさ監査法人

経職歴経験率事務所全体、パートナー、アソシェイト別、人数と割合ランキング

中途採用割合ランキング

全事務所 西村あさひ 長島・大野・常松 森・濱田松本 アンダーソン・
毛利・友常
全体
新卒入所 324 259 284 255 1122
中途入所 105 92 29 45 271
事務所全体 484 351 334 318 1487

鈴木修一

タイトルとURLをコピーしました