2015年5大事務所のパートナートラック

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ジュリナビでは以前より4大事務所のパートナートラックという題名で、各事務所により公表された情報に基づいてアソシエイトからパートナーに昇格していく過程に関する統計データを定期的に掲載してきました。
4大事務所は、我が国の大手企業の企業取引を中心とするリーガルマーケットで重要な地位を占めており、その組織形態や所属する弁護士の働き方は、我が国の法律事務所の将来の方向を先取りしているとも考えられます。また、4大事務所でパートナー(経営弁護士)になることは弁護士のキャリアパスとして成功例の典型でもあり、企業取引の専門家を目指す法科大学院生にとり興味のあるところとも思います。
なお、今回は、従来の4大事務所に加え、最近組織拡大を進めているTMI総合法律事務所も4大事務所とは違いがあるものの調査対象に含め、また、今後も5大事務所としてパートナートラックに係る統計データを公表することにしました。今回は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所が4月にビンガム・坂井・三村・相澤法律事務所と統合しましたので、その結果を反映したものになっています。


(※注 本報告書は、ジュリナビ運営事務局の責任において公表されているデータを合理的な解釈をして作成されたものであります。各事務所の人員構成は、変動しており、公表の時点も方法も各事務所で異なりますので、その内容につき正確性を保証するものではありません。また、ここに記載された意見や見解はジュリナビ運営事務局によるものであり、許可なくデータを引用・転載することを禁じます。)

1.5大事務所のパートナーについて

5大事務所のパートナー
今回の調査時点で5大事務所の最も期の若いパートナーは以下の通りとなっています。西村あさひでは56期、他の事務所では全員58期で、法科大学院出身者はまだでていません。各事務所で入所後パートナーになるまでの期間が、これで概ねわかると思います。また、今年度は女性のパートナー昇格がどの事務所でも見当たりません。後で述べるジェンダー間格差がここでも現れているようです。
以下、5大事務所の新パートナー一覧(敬称略)。

 事務所  新パートナー名
西村あさひ
(56期:5名)
東貴裕、松尾拓也、松永徳宏、本柳祐介
 アンダーソン・毛利・友常
(58期:7名)
 大西一成、石橋源也、幸丸雄紀、佐々木慶、戸倉圭太、三木康史、宮本甲一
森・濱田松本
(58期:5名)
塩田尚也、関口健一、代宗剛、根本敏光、森田恒平
TMI総合
(58期:2名)
今枝丈宜、柳沢知樹
長島・大野・常松
(58期:1名)
佐々木将平

5大事務所パートナーの学歴格差
以下は今年度調査時点の各事務所及び5大事務所全体のパートナーの出身大学(※現時点で法科大学院出身のパートナーはいない)のランキングです。TMI総合以外の4大事務所の東大出身者の占める割合が、約7割と非常に高いことが目につきます。しかし、新司法試験制度の下では前述のように東大出身者の占める割合は法科大学院についても大学についても東大の全体に占める割合が大きく下がってきています。色々批判の多い法科大学院制度ですが、出身校の多様化にはプラス効果がでてきているようです。こうした出身校の多様化(もっとも偏差値上位校間での変動にしかすぎないのだが)が、将来の5大事務所のパートナーの出身校の多様化につながっていくのか今後の動きが注目されます。

パートナーの人数と出身大学ランキング

順位 大学 西村あさひ アンダーソン
・毛利・友常
森・濱田松本 TMI総合 長島・大野
・常松
合計 割合
1 東京大学 73 81 69 31 70 324 66.4%
2 早稲田大学 11 10 8 12 10 51 10.5%
3 慶應義塾大学 10 11 13 9 7 50 10.2%
4 京都大学 3 6 8 0 2 19 3.9%
5 一橋大学 3 4 2 3 4 16 3.3%
5 中央大学 1 3 2 8 2 16 3.3%
7 上智大学 0 1 0 2 0 3 0.6%
8 東北大学 1 0 0 0 1 2 0.4%
その他大学 3 1 0 2 1 7 1.4%
合計 105 117 102 67 97 488

各事務所におけるパートナーの出身大学の割合

5大事務所パートナーのジェンダー格差
社会では女性の積極活用が提唱されていますが、5大事務所は、各事務所とも女性パートナーの占める割合も該当修習期の女性割合と比べて低いものです。 大企業を顧客の中心とする5大事務所で女性の活用が進まないのは、我が国の企業社会でのジェンダー間格差と同様のようです。

事務所別パートナー女性の占める割合

事務所名  男性   女性   合計   女性の割合 
西村あさひ 95 10 105 9.5%
アンダーソン・毛利・友常 109 8 117 6.8%
森・濱田松本 93 9 102 8.8%
TMI総合 61 6 67 9.0%
長島・大野・常松 87 10 97 10.3%

参考:弁護士全体における男女の割合(2014弁護士白書 P63より)

修習期  男性  女性  合計  女性の割合 
1期~58期 19,757 2,732 22,489 12.1%
2.5大事務所のアソシエイトについて

それでは、将来パートナーを目指すアソシエイトはどのような集団なのでしょうか?

今年度の各5大事務所の新人弁護士採用数:景気回復の影響
リーマンショック後、世界的にリーガルマーケットは縮小しました。我が国も同様に5大事務所の新人弁護士採用数は大幅に落ち込み、その後、徐々に景気回復に併せて採用数を増やし、リーマンショック前の数字に戻してきました。
企業法務を中心とする5大事務所にとっては、景気動向が業務量に影響するのであり、一部弁護士の唱える法曹人口増加による業務減は関係ないことは明らかです。なお、4大事務所とは異なり、TMI総合は、過去5年間右肩上がりで新人弁護士の採用数を順調に増やし続けています。

過去5年間の各5大事務所新人弁護士採用数推移

修習期 性別  西村あさひ アンダーソン
・毛利・友常
森・濱田
松本
TMI総合 長島・大野
・常松
合計 
63期 男性
女性
23
9
18
9
13
6
9
6
18
5
81
35
64期 男性
女性
14
4
13
5
13
1
11
3
14
6
65
19
65期 男性
女性
14
4
11
4
19
3
13
4
21
5
78
20
66期 男性
女性
20
5
11
3
25
7
19
7
15
4
90
26
67期 男性
女性
27
7
18
4
23
4
24
3
23
7
115
25

5大事務所の新人弁護士採用数
新人弁護士一覧(敬称略)

事務所  67期新人弁護士数
西村あさひ
34名
安部立飛、伊豆明彦、益田美佳、奥田健太郎、横山咲子、妻由香莉、角田龍哉、
亀岡千泰、吉田咲耶、橋本裕子、江口尚吾、高橋功、坂本麻里江、山田大、
山本明、松本周、上久保知優、上嶋孝法、深谷太一、杉本清、政安慶一、
川西皓大、前川良介、前澤友規、大村慧、渡邉貴久、湯村暁、八島俊紀、
飯永大地、平良夏紀、片桐秀樹、片山裕二朗、北住敏樹、堀田純平
アンダーソン・毛利・友常
24名(※ビンガム移籍者含む)
山﨑悦子、梶原康平、蔦谷吉廣、村上遼、坂下雄思、先山雅規、陸川俊、
安藤翔、牧野達彦、水本啓太、猪狩勇人、山本真裕、福井佑理、姜明訓、
堀亜由美、菊地諒、北島義之、舛谷寅彦、小山悠美子、寺尾裕真、稲井宏紀、
田村勇人、武士俣隆介、片山いずみ
森・濱田松本
27名
坂尻健輔、伊藤雄馬、井上諒一、園元丈晴、奥田亮輔、岡野貴明、金光由以、
高石脩平、高田和佳、坂本萌、山川佳子、山路諒、時だい、森田理早、
青山慎一、足立悠馬、中田光彦、中尾匡利、長谷川博一、塚田智宏、林裕人、
田村哲也、白井俊太郎、飯田龍太、飯島隆博、樋口雄一、冨永喜太郎
TMI総合
27名
藤井康太、原田紗衣、伯耆雄介、星野公紀、市古裕太、今井健仁、稲葉大輔、
稲田祥子、川中啓由、小林佑輔、呉竹辰、森卓也、中村恵太、中山祥、
野呂悠登、小田智典、鬼澤秀昌、小里佳嵩、関根みず奈、品川皓亮、篠原一生、
鈴木龍司、高藤真人、内野寛信、山口貴臣、山下翔、吉井翔吾
長島・大野・常松
30名
宇治佑星、羽鳥貴広、岡竜司、加藤和之、官澤康平、近藤正篤、今野庸介、
砂田雄土、三島可織、秋山恵里、小槻英之、松原拓也、青柳徹、石原和史、
川口裕貴、浅野結、倉知紗也菜、増井邦繁、大渕哲、谷本芳朗、有働達朗、
津久井康太朗、田原靖久、田勢華也子、渡辺翼、藤井崇英、白水克典、
板谷隆平、豊田紗織、門野多希子
3.各5大事務所の新人採用弁護士の出身法科大学院・大学別ランキング

5大事務所新人弁護士採用における学歴格差
各事務所及び5大事務所全体の今年度採用の新人弁護士の出身法科大学院及び大学のランキングは以下の通りです(各事務所の公表データによる。特に、予備試験合格者については推定。)このランキングでわかるように偏差値上位校(首都圏で東大、慶応、早稲田、一橋、関西で京大)が、法科大学院についても大学についても9割以上を占めており、5大事務所の新人弁護士採用での学歴格差と地方間格差(東京とそれ以外)は著しいものがあります。京大は5大事務所への人材供給源としては重要度が下がっています。但し、法科大学院制度が発足して以来、いわゆる東大偏重は緩和されつつあり、人材の多様化(偏差値上位校間での)が進みました。
5大事務所の主要顧客が東京に本社機能を持つ大企業であることもこうした学歴格差と地方格差を助長しているのでしょう。

新人弁護士の出身法科大学院ランキング

順位  出身
法科大学院
西村あさひ アンダーソン
・毛利・友常
森・濱田松本 TMI総合 長島・大野
・常松
 合計 
1 東京大学 14 13 9 7 11 54
2 慶應義塾大学 2 2 2 7 4 17
3 早稲田大学 3 0 2 5 5 15
4 京都大学 5 1 0 2 3 11
5 一橋大学 2 0 2 2 0 6
6 中央大学 0 0 0 1 0 1
その他大学 2 0 0 2 0 4
予備試験合格 6 8 12 1 7 34

新人弁護士の出身大学ランキング

順位  出身大学 西村あさひ アンダーソン
・毛利・友常
森・濱田松本 TMI総合 長島・大野
・常松
合計
1 東京大学 11 13 10 7 9 50
2 慶應義塾大学 8 3 9 6 7 33
3 早稲田大学 4 1 5 3 5 18
4 京都大学 6 1 2 2 6 17
5 一橋大学 1 2 1 1 1 6
6 中央大学 0 3 0 2 0 5
7 東北大学 0 0 0 3 0 3
その他大学 5 1 0 2 1 9
海外の大学 0 0 0 1 1 2

5大事務所新人弁護士採用における学歴格差
一方、予備試験合格者1名採用のTMI総合を除いて、4大事務所の予備試験合格者の積極的な採用が目につきます。予備試験合格者を母集団とすれば、東大法科大学院に次いで第2位になります。この事実は、予備試験制度自体が、そもそも法曹を目指す人たちに経済的な負担を軽減するためのものではなく学業優秀者選抜になっていることの象徴ではないでしょうか。5大事務所に採用された予備試験合格者の出身大学が東大と慶應で予備試験合格者採用全体の8割を超えている現実は、学歴格差を一層際立たせています。なお、予備試験合格者で5大事務所に採用された新人弁護士には女性は1名も含まれていません。予備試験制度は5大事務所の新人弁護士採用の観点からは、学歴格差とジェンダー間格差を一層拡大させています。
なお、将来、5大事務所で予備試験合格者採用の弁護士がどのような確率でパートナーになるのか、偏差値が主要影響ファクターになっていくのか興味深いところです。

予備試験合格者の出身大学

順位  出身大学 西村あさひ アンダーソン
・毛利・友常
森・濱田松本 TMI総合 長島・大野
・常松
合計
1 東京大学 3 4 6 0 4 17
2 慶應義塾大学 2 1 5 0 3 11
3 中央大学 0 2 0 1 0 3
4 京都大学 0 0 1 0 0 1
4 一橋大学 0 1 0 0 0 1
4 早稲田大学 1 0 0 0 0 1

※予備試験合格による法科大学院中退者と予備試験合格推定者含む

予備試験出身者の男女比

性別  西村あさひ アンダーソン
・毛利・友常
森・濱田松本 TMI総合 長島・大野
・常松
合計
男性 6 8 12 1 7 34
女性 0 0 0 0 0 0

5大事務所の新人弁護士採用の女性割合
法科大学院制度の下では女性の法曹人口に占める割合が、それ以前と比べ大幅に増加しました。これまで女性の採用に消極的であった5大事務所も、該当修習期の女性割合よりは依然低いものの女性採用の割合は増えてきています。5大事務所が業界リーダーとしてジェンダー間格差の解消に率先して取り組む必要があるのではないでしょうか。パートナーへの昇格にもジェンダー間格差の解消への方向が続いていくのかジュリナビでは調査を継続していきます。

パートナーの女性割合

事務所名  男性  女性  合計  女性の割合 
西村あさひ 27 7 34 20.6%
アンダーソン・毛利・友常 19 5 24 20.8%
森・濱田松本 23 4 27 14.8%
TMI総合 24 3 27 11.1%
長島・大野・常松 23 7 30 23.3%

※アンダーソン・毛利・友常についてはビンガム移籍者を含む

アソシエイト全体の出身法科大学院

順位 出身
法科大学院
西村あさひ アンダーソン
・毛利・友常
森・濱田松本 TMI総合 長島・大野・常松 合計 割合
1 東京大学 105 82 93 37 72 378 50.7%
2 慶應義塾大学 34 20 16 25 18 112 15.0%
3 早稲田大学 18 13 12 26 24 93 12.5%
4 京都大学 19 10 9 12 18 65 8.7%
5 一橋大学 10 6 11 11 4 39 5.2%
6 中央大学 5 1 2 12 3 22 2.9%
7 神戸大学 0 2 1 3 0 5 0.7%
8 同志社大学 2 0 0 1 1 4 0.5%
8 北海道大学 0 1 0 3 0 4 0.5%
10 名古屋大学 1 0 0 1 1 3 0.4%
10 首都大学東京 1 0 0 1 1 3 0.4%
10 上智大学 0 1 0 2 0 3 0.4%
13 九州大学 1 0 0 0 1 2 0.3%
13 大阪大学 0 1 0 0 1 2 0.3%
13 学習院大学 1 0 0 1 0 2 0.3%
13 明治大学 1 1 0 0 0 2 0.3%
17 大阪市立大学 0 0 0 1 0 1 0.1%
17 琉球大学 1 0 0 0 0 1 0.1%
17 広島大学 0 0 1 0 0 1 0.1%
17 横浜国立大学 1 0 0 0 0 1 0.1%
17 青山学院大学 0 1 0 0 0 1 0.1%
17 成蹊大学 0 0 0 1 0 1 0.1%
17 大宮法科大学院 0 0 1 0 0 1 0.1%

アソシエイト全体の出身大学

順位 出身大学 西村あさひ アンダーソン
・毛利・友常
森・濱田松本 TMI総合 長島・大野・常松 合計 割合
1 東京大学 152 109 111 53 101 526 42.8%
2 慶應義塾大学(中退含む) 66 45 40 53 38 242 19.7%
3 早稲田大学(中退含む) 36 19 35 36 28 154 12.5%
4 京都大学 32 16 18 21 31 118 9.6%
5 一橋大学 10 8 10 13 7 48 3.9%
6 中央大学 9 7 2 16 3 37 3.0%
7 同志社大学(中退含む) 5 0 2 2 4 13 1.1%
8 上智大学 4 0 1 5 2 12 1.0%
9 大阪大学 8 0 0 0 3 11 0.9%
10 神戸大学 2 1 2 2 1 8 0.7%
10 東北大学 0 3 0 5 0 8 0.7%
12 東京都立大学 3 0 1 2 1 7 0.6%
13 立教大学 3 0 1 1 1 6 0.5%
14 北海道大学 1 1 1 2 0 5 0.4%
15 学習院大学 2 0 0 2 0 4 0.3%
15 九州大学 1 0 0 1 2 4 0.3%
17 国際基督教大学 0 1 0 2 0 3 0.2%
17 名古屋大学 0 0 1 2 0 3 0.2%
19 法政大学 0 1 0 1 0 2 0.2%
19 明治大学 0 0 0 2 0 2 0.2%
21 お茶の水女子大学 0 0 0 1 0 1 0.1%
21 横浜国立大学 0 0 0 1 0 1 0.1%
21 関西学院大学 0 0 1 0 0 1 0.1%
21 関西大学 1 0 0 0 0 1 0.1%
21 千葉大学 0 0 0 0 1 1 0.1%
21 専修大学 1 0 0 0 0 1 0.1%
21 大阪市立大学 0 0 1 0 0 1 0.1%
21 筑波大学 0 0 0 1 0 1 0.1%
21 津田塾大学 1 0 0 0 0 1 0.1%
21 東京工業大学 0 1 0 0 0 1 0.1%
21 創価大学 0 1 0 0 0 1 0.1%
21 カリフォルニア大学ロサンゼルス校 1 0 0 0 0 1 0.1%
21 ドラリー大学 0 0 0 0 1 1 0.1%
21 英国国立セント・
アンドリュース大学
0 0 0 1 0 1 0.1%
21 オックスフォード大学 0 0 0 1 0 1 0.1%
21 ネバダ大学リノ校 0 1 0 0 0 1 0.1%

アソシエイト全体の女性の割合

事務所名  男性  女性  合計  女性の割合 
西村あさひ 264 77 341 22.6%
アンダーソン・毛利・友常 154 60 314 28.0%
森・濱田松本 184 42 226 18.6%
TMI総合 170 58 228 25.4%
長島・大野・常松 183 41 224 18.3%

※アンダーソン・毛利・友常についてはビンガム移籍者を含む

参考:弁護士全体における男女の割合(2014弁護士白書 P63より)

修習期  男性 女性 合計 女性の割合
59期~67期 9,570 3,976 13,546 29.4%

5大事務所最新パートナー・アソシエイト人員構成図
今年度調査時点の各事務所のパートナー・アソシエイトの期別の人員構成図は以下の通りです。我が国が法曹人口増加に舵を切って以来、5大事務所はその供給増を活かして保守的にではありますが組織拡大を行ってきました。例外はリーマンショックの影響で大幅に新人採用が減った64期です。いずれにせよ5大事務所の人員構成は、いずれもピラミッド型になっています。過去、我が国の4大事務所での弁護士の地位は安定しておりパートナーになる確率は極めて高かったのですが、ピラミッド型が定着した状態で、右肩上がりで事務所規模が拡大していかない限り、今後パートナーになれる確率は以前より相当に低くなると思われます。いわゆるアップ・オア・アウト、一定年度内にパートナーになれなければ事務所を離れるという傾向(同期がパートナーになってから約3~4年内)が各事務所で強まってくるでしょう。当然、パートナーになるためのアソシエイト間の競争は激しくなってくると思われます。

5大事務所最新レバレッジ・レイシオ
今年度調査時点の各事務所のパートナー数対アソシエイト数の比率=レバレッジ・レイシオは以下の通りです(各事務所公表のパートナーとアソシエイトを比較しており、オフカウンセル、シニアカウンセル、外国法事務弁護士、外国弁護士等はこの計算から除外しています)。レバレッジ・レイシオが高い事務所ほどパートナーの割合は小さいのですが、海外の法律大手事務所と比べて我が国の大手法律事務所のレバレッジ・レイシオは一般的に低くなっています。
レバレッジレイシオの高い事務所では、パートナーは多数のアソシエイトを使い効率的に収益を上げていて、アソシエイトは、多数との競争に打ち勝ちパートナーになるわけですから、パートナーになれる確率は、概ね低くなることになります。一方、レバレッジレイシオが低ければ、アソシエイトはパートナーになれる確率が高くなりますが、事務所全体の収益率は一般的に低くなるとも言われています。もちろん業務内容によってレバレッジレイシオが高くアソシエイトが多くないと業務効率的が上がらない業務もありますので一概にレバレッジ・レイシオが高いほうがいいというわけでもありません。
英米系事務所と比較して5大事務所を含め我が国の法律事務所のレバレッジ・レイシオは高くありません。5大事務所では、西村あさひとTMIは3倍以上であるのに対して他の事務所は2倍程度と低くなっており、それぞれ事務所の運営方針やカルチャーの差を反映しているようです。

レバレッジ・レイシオ(アソシエイト数/パートナー数)

事務所名  アソシエイト数 パートナー数 レバレッジ 
・レイシオ
西村あさひ 341 105 3.25
アンダーソン・毛利・友常 214 117 1.83
森・濱田松本 226 102 2.22
TMI総合 228 67 3.40
長島・大野・常松 224 97 2.31

出典・免責事項・引用・転載等について

  1. 本調査は、2015年4月時点の日本弁護士連合会等の公表データをもとに作成しています。
  2. 本調査はできるだけ正確性を保つよう合理的な努力をしましたが、所属弁護士数は日々変動し、かつ異動情報がタイムリーに日本弁護士連合会に提供されるとは限らないため、調査結果についてジュリナビとして完全性、正確性を保証するものではありません。
  3. 本調査に記載されたコメントはジュリナビ自身の見解であり、法科大学院協会や各法科大学院の見解とは一切関係はありません。
  4. 本調査に記載された調査、編集、分析された内容についてその一部又は全部につきジュリナビに無断で転載、掲載することを禁止させていただきます。
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