2017年5大事務所のパートナートラック -2-

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3.2017年度5大事務所の新パートナー:進み始める世代交代

5大事務所の今年度新パートナーは、昨年合計の35名から51名と大幅に増加しました。特に、長島・大野・常松は、昨年と比べ、一挙に3倍以上の11名の新任パートナーを登用したことが注目されます。この新パートナーの数字から見る限り各事務所とも業績は好調のようです。

今年度、新パートナーの所属期の中心は、57~58期でした。5大事務所のパートナーになるには概ね12年前後の経験が必要とされているようです。しかし、昨年初めて現れた60期代のパートナーが、今年度は5大事務所全体の新パートナーの約4分の1を占めているのは新しい動きと言えるでしょう。

その中でもアンダーソン・毛利・友常が、60期と61期で8名と新任パートナーの半数以上を出し、若手のパートナー登用を積極的に進めていることが注目されます。一方、西村あさひは、昨年同様に58期が一番若く他の4事務所比べと若手のパートナーの登用が遅れており、対照的です。

今後、5大事務所の人員構成を考えると60期代のパートナー数は着実に増加し、組織の中核を占めるようになるでしょう。そうすると世代交代が本格化してくると思われますが、今後、60期代の弁護士数が多くなることで、パートナー昇進への競争も激しくなると考えられます。そのときに、各事務所がどのように若手弁護士を組織内で処遇していくのか、レバレッジ・レシオの変化と人材の流動化は興味深いところです。

一方、新パートナーのジェンダー格差の解消は遅々として進んでいないようです。特に、長島・大野・常松は、11名の新パートナーを出したにもかかわらず、女性パートナーはひとりも選ばれませんでした。また、学歴については相変わらず、新パートナーの出身大学の約9割は東大と早慶出身者および京大出身者で占められています。

2017年度新任パートナーの修習期別人数

2017年度新任パートナーのジェンダー割合

2017年度新任パートナーの出身大学別割合

4.2017年5大事務所のレバレッジ・レシオ

5大事務所のレバレッジ・レシオ推移

今年度の5大事務所のレバレッジ・レシオは西村あさひが最も高く3.16、最も低いのがアンダーソン・毛利・友常で1.83、残りの3事務所はほぼ同じでした。森・濱田松本以外の4事務所は全般的に低下傾向にありますが、西村あさひは常に一番高くなっています。レバレッジ・レシオが低いアンダーソン・毛利・友常は60期以降の若手パートナーを登用しており、こうした動きが最近のレバレッジ・レシオの低下傾向を表しているとも言えるでしょう。

一般的にアソシエイトがパートナーになりやすい(アソシエイト間の競争が少ない?)事務所のレバレッジ・レシオは低下することになります。事務所の業務内容にもよりますが、西村あさひとアンダーソン・毛利・友常のアソシエイトではパートナーになる確率に差が出ているということになるでしょう。

もっとも、パートナー間で事務所の収益を分配するため、レバレッジ・レシオの高い事務所は、アソシエイトの労力を利用し、効率的に収益を上げる組織構造のため各パートナーの取り分は大きくなると言われています。いずれにせよ、事務所の業務内容によっても影響が大きいので、レバレッジ・レシオの高低についてはどちらが優れているか一般論では言い難いところがあります。しかし、レバレッジ・レシオは、明らかにその事務所のカルチャーに影響を与えている一因であることは確かでしょう。

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  1. 本調査は、2017年4月時点の日本弁護士連合会等の公表データをもとに作成しています。
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