2019年5大事務所のパートナートラック -2-

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3.2019年度5大事務所の新パートナー:60期以降の若手世代に移行が始まる

2019年度の5大事務所の今年度新パートナー総数は、53名で昨年の62名より少なくなりました。昨年まで、新パートナー数は増加傾向が続いていましたが減少に転じました。

今年度、新パートナーの所属期でもっとも多かったのは、昨年同様に法科大学院制度の下に生まれた60期でした。次に多かったのは61期であり、着実に法科大学院世代に5大事務所のパートナー層が移行し始めている兆候が表れています。50期台後半の新パートナー就任数は圧倒的に減少しているのがわかります。ここから5大事務所のパートナーシップ構造が理解できると思います。

一方、5大事務所の新パートナー選任でのジェンダー格差の解消は遅々として進んでいません。特に、森・濱田松本と長島・大野・常松は、今年は1名も女性パートナーが選ばれませんでした。特に、長島・大野・常松昨年に続き女性パートナーを選任しませんでした。これまで5大事務所のパートナー選任においてジェンダー格差が著しいことを指摘してきましたが、一向に改善される兆候は見えません。

また、新パートナーの学歴は、新パートナーの東大出身者が全体の67.9%と昨年の43.5%を大きく上回りました。以下、2位は慶應、3位が京大となっています。法科大学院時代になり学歴の多様化が一時期進んだように見えましたが、過去の状況に戻りつつあるのかもしれません。

2019年度新任パートナーの修習期別人数

2019年度新任パートナーのジェンダー別人数・割合

2019年度新任パートナーの出身大学別割合

4.2019年の5大事務所のレバレッジ・レシオと経年推移

今年度の5大事務所のレバレッジ・レシオは西村あさひが最も高く2.66で昨年の2.95より更に下がりました。最も低いのがアンダーソン・毛利・友常の1.90で昨年より下がってきています。全ての5大事務所のレバレッジ・レシオが低下傾向となりました。5大事務所はパ―トナー登用を若手中心に行ってきており、このパートナー数の増加がレバレッジ・レシオの低下傾向を表しています。

パートナー間で事務所の収益を分配するため、アソシエイトの労力を利用し、効率的に収益を上げる組織構造のためレバレッジ・レシオの高い事務所は各パートナーの事務所収益の取り分は大きくなると言われています。しかし、事務所の業務内容によって影響が大きいので、レバレッジ・レシオの高低についてはどちらが優れているか一般論では言い難いところがあります。

レバレッジ・レシオが低ければ、アソシエイト間の競争は少なく、パートナーになれる確率は上がると想定されます。また、アソシエイトがパートナーに訓練、指導を受ける機会が多くなるともいわれています。その意味では5大事務所はハードワークと言われていますが、働きやすい環境に向かいつつあるのかもしれません。一方で、若手アソシエイト弁護士が多数離職することでこの低レバレッジ・レシオが維持されているとも言えます。 一方、高レバレッジ・レシオの事務所はパートナー登用への狭き門のため競争的で、優勝劣敗となり、事務所運営は効率的で事務所間の競争力の観点から優勢になるとも言われています。

しかし、前述1のように5大事務所の人員構成はピラミッド型になっており、早晩、この団塊世代がパートナー昇進の世代になっていきます。その時、5大事務所が現在のようなレバレッジ・レシオが保たれるのか今後のリーガルサービス像とも関連して興味深いところです。

5大事務所のパートナー及びアソシエイトの人数とレバレッジ・レシオ

5大事務所のレバレッジ・レシオ経年推移

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