新63期生弁護士未登録者の行方

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ジュリナビ運営事務局では、司法修習修了翌年の2月から新63期生の弁護士未登録者の就業状況の調査を行ってきた。その後、半年が経過し、ほぼ就職状況も確定したと思われるので此のたび再度公開されている情報をもとに8月25日現在の調査を行った。調査の目的は、弁護士未登録者の就業状況の調査であるが、同時に社会的に関心を集めている「即独」についての調査も行った。但し、後者については、弁護士一人の事務所として登録されている弁護士を即独として推定し、ノキ弁や事実上共同で業務を行っている可能性もあるが、「即独」とみなして計算している。また、あくまで、修習後、直ちに弁護士開業したものを「即独」とし、この間に弁護士事務所に勤務したのち、独立した者は、本調査では即独とは推定せずに計算している。なお、「即独」は51名と推定される。

現在、弁護士未登録者は2月の調査時点から半数以上減少し、40名にまでなっている。この中には、企業、官公庁、大学、その他団体に勤務しているものもあり、未登録であることが未就労とは限らない。組織内弁護士は、5月に58名であったところ、64名と増加しており、すべてが未登録者であり、弁護士事務所に就職できなかった者の就職先として企業が受け皿となっているとも言える。新61期生の企業就職が49名、新62期生の企業就職が47名(ジュリナビ調べ)であったことから考えると新しい職域として企業就職が修習生の視野に入ってきたのではないだろうか。

ただ、司法修習期間中の給与貸与制になった場合には、企業では待遇が院卒並みで優遇されず、自己負担の可能性が強いが、それでも修習生は企業就職に向かうのか今後の動向が注目される。企業は司法修習期間中の自己負担について待遇面で何らかの措置を施すのか、或いは、修了生は、企業就職を選択する場合、司法修習に行かず、法曹資格認定制度や就業後の司法修習を考え、修習開始前に就職に踏み切るのであろうか。一部の企業採用では、直ちに採用して実務経験を積ませる方が人材教育に有効と考えるケースも見られるようである。

弁護士事務所の採用は、5月から12名増加しているが殆どは小規模事務所の採用であり求人と求職のマッチングの難しいことがうかがえる。

以上、新63期生の就職状況を総括してみると、就職活動期間が長期化している傾向はあるものの、現在の景気の低迷状態の影響をあまり受けることなく就職率は過去の例と大きく変わらず、ほぼ完全就職と言っていいであろう。しかし、職域の拡大と期待される行政分野や企業など法曹三者以外への就職は、司法試験合格後、司法修習に行かなかったもの、弁護士登録をしなかったものを考慮しても数%にしかすぎず、社会に幅広く法曹の活躍の場を広げると言う司法制度改革の理念とは程遠い状況である。

新63期生就職状況

2011年
1月末
2011年
2月末
2011年
5月20日
2011年
8月25日
5月時点
との比較
弁護士登録者 1,645 1,693 1,730 1,745 +15
事務所所属(即独除く) 1559 1595 1618 1630 +12
組織内弁護士 42 49 58 64 +6
即独推定者 事務所あり 27 35 39 44 +5
事務所なし 17 14 15 7 -8
44 49 54 51 -3
弁護士未登録者 144 92 55 40 -15
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  1. 本調査は、官報、最高裁判所広報課へのヒアリングや2011年2月末日・5月20日時点・8月25日時点の日本弁護士連合会等の公表データをもとに作成しています。
  2. 本調査はできるだけ正確性を保つよう合理的な努力をしましたが、所属弁護士数は日々変動し、かつ異動情報がタイムリーに日本弁護士連合会に提供されるとは限らないため、調査結果についてジュリナビとして完全性、正確性を保証するものではありません。
  3. 本調査に記載されたコメントはジュリナビ自身の見解であり、法科大学院協会や各法科大学院の見解とは一切関係はありません。
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