新64期生司法修習生進路調査速報

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2010年新司法試験合格者を中心とする新64期生の司法修習生進路調査を行いました。特に、日弁連、地方弁護士会などから法曹人口過剰を危惧する声が高まり、また、司法修習生の就職難が社会に一般的に認識されつつある中、法科大学院生修了生の活動領域を拡大のための活動をし、修了生に対する就職支援を行ってきた「ジュリナビ」として法曹有資格者の就職状況につき客観的なデータを出すことは責務と考えています。

I  新64期生の司法修習と就職状況

新64期生の司法修習と就職状況

新64期
(2012年2月現在)
新63期
(前回調査)
新司法試験合格者 2,074 2,043
司法修習者(修習生採用者数) 2,022 2,021
(司法修習行かず) 52 22
司法修習者(修習生採用者数) 2,022 2,021
二回試験受験者(※再受験者23名含む) 2,047 2,039
二回試験不合格者 56 90
二回試験合格者 1,991 1,949
新規法曹有資格者 1,991 1,949
検事採用者 70 66
判事補採用者 97 98
弁護士登録者 1,604 1,645
弁護士未登録者 220 140
弁護士登録者 1,604 1,645
事務所所属(※即独推定者32名除く) 1,489 1,559
企業内弁護士 61 42
即独推定者(※事務所所属32名含む) 54 44

司法修習に行かない選択者数の大幅増加

新司法試験合格者数は、過去、2,000名強で推移しています。2010年の新司法試験合格者について目立ったことは、司法修習に行かない選択をした人が、前年の22名から52名と大幅に増加したことです。この結果、2010年司法試験合格者の司法修習者は、司法試験合格者数の増加をオフセットし、2009年とほぼ同数となりました。

司法試験合格者は、すべからく、その年に司法修習に行くと一般的には考えられていますが、このように司法試験に合格しても司法修習せず、法曹三者の職につかない選択をする人たちが増えてきています。中央省庁や企業(例えば、日本銀行)に就職する場合のように、総合職として採用され、必ずしも採用後、当該組織内で法律業務のみを行うのではないのであれば、司法修習に行かないというケースもあり得るのです。そうした採用先の多くでは、司法試験に合格していても司法修習に行かず就職することが採用の条件になっています(採用側には、法曹資格が業務に必須でないので、早く組織内で人材を育成するほうが良いとの判断がある)。また、研究職に進む場合も同じことが言えるでしょう。更に、司法修習を終え、法曹資格を得ても弁護士登録をせず、法曹三者以外の職についている人達がいます。公表されていないのですが、後述の新64期生の弁護士未登録者の中にも、あえて法曹三者の職につかない選択をしたものも相当数いるものと推定されます。

昨年から司法修習中の給与は、貸与制に移行しましたが、法曹三者以外の職域に就き、就職先で法曹資格を業務に必要としない場合(または、訴訟実務を行う必要のない場合)、司法試験に合格しても、経済的、時間的観点から、訴訟実務習得が中心の司法修習に行かず実務で働き始めるという修了生が増える可能性があります。もし、その傾向が定着していくのであれば、法科大学院で育成されるべき人材はどうあるべきかにつき影響を与えるでしょう。

判事補・検事採用数と弁護士事務所採用

判事補、検事採用数共に特段の新しい変化は見られず、毎年の採用レベルにとどまりました。弁護士登録者数は、昨年同時期と比べ41名の減少の1,604名となっています。二回試験合格者数が増加したため、新64期の司法修習者数は前年と殆ど同じでしたが、法曹有資格者数は42名の増加になっています。今回の調査では新64期の弁護士未登録者数は、昨年同時期と比べ80名の増加となり、調査時点で220名となっています。弁護士未登録者の法曹有資格者に占める割合は、新63期生の7%から新64期生では11%に増加しました。

新64期の即独推定者

本年度の即独推定者(単独で事務所を開設しているか、または、自宅で弁護士登録だけをしている新人弁護士をいう)は、昨年とあまり大差はないようです。もちろん、新64期生の弁護士未登録者が昨年より多く、今後、即独が、大幅に増える可能性もあります。しかし、即独が、現実に容易ではない、特に、経済情勢が厳しい昨今では経験不足で開業することのリスクが、修習生に理解され始めていることが、弁護士未登録者の増加にもかかわらず昨年と同レベルの即独推定者数になっているのかもしれません。徐々に始まっている小規模事務所の新人弁護士採用により、半年ほどかけてミスマッチも解消されていくと考えられます。また、企業就職希望者の増加傾向を示しており、企業が未登録者の採用受け皿になる可能性もあります。今後、ジュリナビでは、3カ月ごとに弁護士未登録者と即独推定者について調査を続けていきますので新しい情報は追ってお知らせすることができるでしょう。

Ⅱ 新64期生事務所別採用数ランキング

新しい新人弁護士採用の受け皿

今回、特に目立つのは、いわゆる債務整理系の事務所の新人弁護士採用数の増加です。これまで新人弁護士の就職先としては、あまり人気がなく採用に苦慮していたこの種の事務所が、新人弁護士採用の受け皿になってきているのです。弁護士法人アディーレ法律事務所は、この3年間で8名―14名―24名と採用数を伸ばし、とうとう今年は、4大事務所を抜き、最大の新人弁護士採用事務所となりました。また、複数の支店を持ち全国展開という新しい業態で業務を行う事務所が、地方での新人弁護士採用をも活発化させていることも目立ってきています。こうした事務所が債務整理にとどまらず他分野で成長していくのか、新しい形の弁護士事務所として定着するのか未知の部分が多いとは思います。

新64期生事務所別採用数ランキング

順位 法人・事務所名 都道府県 所属
弁護士人数
新64期
採用人数
新63期
採用人数
新62期
採用人数
1 弁護士法人アディーレ法律事務所 東京都 75 24 14 8
2 長島・大野・常松法律事務所 東京都 339 19 23 30
3 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 東京都 316 18 27 28
4 西村あさひ法律事務所 東京都 470 17 32 46
5 TMI総合法律事務所 東京都 243 14 15 15
6 森・濱田松本法律事務所 東京都 309 13 19 26
7 弁護士法人ベリーベスト法律事務所 東京都 35 10 6 0
8 弁護士法人法律事務所MIRAIO 東京都 32 8 10 4
9 弁護士法人大江橋法律事務所 東京都・大阪府 100 7 6 6
10 鳥飼総合法律事務所 東京都 44 6 5 2
11 シティユーワ法律事務所 東京都 114 5→ 5 4
11 弁護士法人TLEO虎ノ門法律経済事務所 東京都 33 5→ 5 4
11 東京青山・青木・狛法律事務所ベーカー・アンド・マッケンジー外国法弁護士事務所(外国法共同事業) 東京都 121 5 3 7
11 楠井法律事務所 三重県 12 5 3 1
11 新銀座法律事務所 東京都 21 5 2 3
合計 2,264 161 175 184

※弁護士法人は従事務所(支店)も含む人数で集計。所属弁護士人数は外国法事務弁護士人数を含まない。

新64期生事務所規模別採用数ランキング

順位 法人・事務所名 所属
弁護士人数
新64期
採用人数
新63期生
採用人数
1 西村あさひ法律事務所 470 17↓ 32
2 長島・大野・常松法律事務所 339 19↓ 23
3 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 316 18↓ 27
4 森・濱田松本法律事務所 309 13↓ 19
5 TMI総合法律事務所 243 14↓ 15
6 東京青山・青木・狛法律事務所ベーカー・アンド・マッケンジー外国法事 121 5↑ 3
7 シティユーワ法律事務所 114 5→ 5
8 弁護士法人大江橋法律事務所 100 7↑ 6
9 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 79 3→ 3
10 弁護士法人北浜法律事務所 78 4↑ 3
11 弁護士法人アディーレ法律事務所 75 24↑ 14
12 ビンガム・マカッチェン・ムラセ外国法事務弁護士事務所 坂井・三村・相澤法律事務所 64 0→ 0
13 弁護士法人淀屋橋・山上合同 61 3↓ 6
14 弁護士法人御堂筋法律事務所 53 3→ 3
15 外国法共同事業・ジョーンズ・デイ法律事務所 49 1↓ 2
16 牛島総合法律事務所 47 2↓ 3
17 鳥飼総合法律事務所 44 6↑ 5
18 モリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所 伊藤見富法律事務所 43 2↓ 3
18 隼あすか法律事務所 43 1↓ 3
18 田辺総合法律事務所 43 1↓ 4
21 ホワイト&ケース法律事務所 42 0→ 0
21 岩田合同法律事務所 42 2→ 2
21 弁護士法人三宅法律事務所 42 0↓ 2
24 東京丸の内法律事務所 40 3↑ 0
25 弁護士法人中央総合法律事務所 39 2↓ 4
25 光和総合法律事務所 39 0↓ 2
27 クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業 37 3↑ 2
27 奥野総合法律事務所 37 2→ 2
29 弁護士法人曾我・瓜生・糸賀法律事務所 36 0↓ 1
30 阿部・井窪・片山法律事務所 35 1↓ 2
30 弁護士法人ベリーベスト法律事務所 35 10↑ 6
32 弁護士法人TLEO虎ノ門法律経済事務所 33 5→ 5
32 三宅坂総合法律事務所 33 2→ 2
32 さくら共同法律事務所 33 2→ 2
35 弁護士法人法律事務所MIRAIO 32 8↓ 10
35 弁護士法人第一法律事務所 32 1↓ 2
35 桃尾・松尾・難波法律事務所 32 0→ 0
38 虎門中央法律事務所 31 1↓ 2
39 弁護士法人小野総合法律事務所 30 2↓ 4
39 東京法律事務所 30 2↑ 0
39 あさひ法律事務所(東京都) 30 1↓ 3
42 外国法共同事業法律事務所リンクレーターズ 29 0↓ 1
42 名古屋第一法律事務所 29 2↑ 0
42 真和総合法律事務所 29 0→ 0
45 弁護士法人関西法律特許事務所 28 3↑ 1
45 ブレークモア法律事務所 28 1→ 1
47 柳田国際法律事務所 27 0↓ 1
47 横浜綜合法律事務所 27 1↓ 4
47 ユアサハラ法律特許事務所 27 1↓ 2
50 弁護士法人協和綜合パートナーズ法律事務所 25 2↑ 1
50 石井法律事務所(東京都) 25 2→ 2
50 三多摩法律事務所 25 1→ 1
53 弁護士法人堂島法律事務所 24 1↓ 2
53 弁護士法人岡林法律事務所 24 0↓ 3
53 弁護士法人アヴァンセリーガルグループ 24 4↑ 2
53 東京合同法律事務所 24 1→ 1
53 代々木総合法律事務所 24 1↑ 0
53 小沢・秋山法律事務所 24 1↑ 0
53 フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所 24 1→ 1
60 弁護士法人梅ヶ枝中央法律事務所 23 4↑ 2
60 中村法律事務所(東京都) 23 0→ 0
60 石嵜・山中総合法律事務所 23 4↑ 0
60 城北法律事務所 23 2↑ 1
60 旬報法律事務所 23 1→ 1
60 虎ノ門南法律事務所 23 1↑ 0
66 弁護士法人東町法律事務所 22 0↓ 2
66 弁護士法人きっかわ総合法律事務所 22 0↓ 1
66 弁護士法人A&Sパートナーズ(卓照綜合法律事務所) 22 1↑ 0
66 東京八丁堀法律事務所 22 2↑ 0
66 新麹町法律事務所 22 1↑ 0
66 小島国際法律事務所 22 2↑ 1
66 小笠原六川国際総合法律事務所 22 4↑ 3
66 鴻和法律事務所 22 1↓ 2
66 丸の内総合法律事務所 22 0↓ 2
66 ひかり総合法律事務所(東京都) 22 1→ 1
76 弁護士法人松尾綜合法律事務所 21 1↑ 0
76 弁護士法人中本総合 21 3↑ 2
76 弁護士法人愛知総合法律事務所 21 3↑ 1
76 日比谷見附法律事務所 21 1↓ 2
76 新銀座法律事務所 21 5↑ 2
76 松田綜合法律事務所 21 4↑ 0
76 外立総合法律事務所 21 2→ 2
83 弁護士法人北千住パブリック法律事務所 20 3↑ 2
83 弁護士法人東京パブリック法律事務所 20 2↓ 3
83 弁護士法人港国際グループ 20 2↑ 1
83 東京グリーン法律事務所 20 0↓ 3
83 山下江法律事務所 20 4↑ 0
83 虎ノ門総合法律事務所 20 0↓ 1
89 弁護士法人淀屋橋法律事務所 19 0↓ 3
89 弁護士法人朝日中央綜合法律事務所 19 4↑ 3
89 弁護士法人中村綜合法律事務所 19 0→ 0
89 片岡総合法律事務所(東京都) 19 0↓ 2
89 半蔵門総合法律事務所 19 0↓ 1
89 東京新生法律事務所(東京都) 19 1→ 1
89 島田法律事務所(東京都) 19 1↑ 0
89 中村合同特許法律事務所 19 0↓ 1
89 成和明哲法律事務所(東京都) 19 0↓ 1
89 森法律事務所(東京都) 19 0↓ 2
89 原後綜合法律事務所 19 1↑ 0

大規模事務所の採用数の減少

この新64期生の弁護士未登録者数の大幅な増加どう評価すべきなのでしょうか。わが国の法曹人口が飽和に達したのでしょうか?それとも他の要因があるのでしょうか?
最近のわが国の経済環境は、リーマンショックに続き、ユーロ市場の混乱、超円高、震災、原発事故の影響などマイナス要素が多く、企業取引、金融や証券業務を中心に弁護士業務も大きく影響を受けています。わが国の対内直接投資額は減少し、こうした分野の国内の弁護士需要が減少しています。また、対外直接投資は増加しているものの、これに関連する法律業務については、わが国の弁護士事務所は十分に取り込めていません。今回の調査で判明しましたが、4大事務所は、こうした法律業務を取り巻く市場の変化に応じてこれまでの積極的な新人弁護士採用方針から方向転換をしたようです。4大事務所の採用は、この3年間で、総計で130名(新62期)―101名(新63期)―64名(新64期)と毎年減少してきています。一昨年と比べれば、4大事務所の新人弁護士の採用数は半分以下になっています。4大事務所と業務分野がかぶる中堅事務所も同様に保守的な新人弁護士の採用傾向を示しています。外資系事務所に至っては、中国シフトを強め、もはや新人弁護士の採用の受け皿にはまったくなりえない状況です。新64期生の弁護士登録者数の減少幅はこうした大中規模事務所求人の減少も影響して、減少分が玉突き現象を起して今回の弁護士未登録者数になっていると思われます。また、大規模事務所を抱える東京三会の新人弁護士登録も減少しています。法曹の供給過剰による市場飽和が言われていますが、最近の経済的要因により弁護士需要が大きく影響されているのではないでしょうか。

Ⅲ 事務所採用人数別の分布割合

新64期生事務所採用人数別の分布割合

採用数 事務所数 採用数合計
事務所数 構成比 採用総数 構成比
10名以上 7 0.6% 115 7.7%
5~9名 8 0.7% 46 3.1%
3~4名 46 4.1% 150 10.1%
2名 125 11.2% 250 16.8%
1名 928 83.3% 928 62.3%
合計 1,114 100.0% 1,489 100.0%

新64期事務所規模別採用分布

事務所人数 事務所数 新64期採用数
20名以上 7.0% 18.2%
11~19名 10.1% 11.2%
4~10名 43.1% 36.1%
3名以下 39.8% 34.6%
Ⅳ 弁護士会別新64期生登録数

弁護士会別新64期生登録数

弁護士会 新64期採用人数 新63期採用人数
東京 281 308
第二東京 214 258
大阪 179 166
第一東京 162 160
愛知県 89 93
横浜 70 74
福岡県 55 55
埼玉 43 35
札幌 39 42
京都 39 25
兵庫県 33 43
広島 30 29
千葉県 26 26
静岡県 26 18
仙台 23 28
岡山 22 25
群馬 18 15
熊本県 14 9
鹿児島県 14 13
茨城県 13 11
三重 13 11
新潟県 12 9
金沢 11 5
徳島 11 3
長野県 10 16
滋賀 10 7
福島県 10 14
岐阜県 9 8
長崎県 9 10
香川県 9 9
宮崎県 8 7
栃木県 8 10
沖縄 7 6
青森県 7 1
山梨県 7 8
岩手 6 3
佐賀県 6 9
大分県 5 9
和歌山 5 11
奈良 5 4
山口県 5 12
愛媛 4 9
山形県 4 5
島根県 4 3
鳥取県 4 4
旭川 4 2
釧路 4 2
高知 4 2
富山県 4 4
秋田 3 1
函館 3 1
福井 3 7
合計 1,604 1,645
Ⅴ 組織内弁護士としての就職先企業一覧

企業・その他法人別新64期生採用数

順位 法人名 都道府県 新64期
採用人数
1 株式会社小松製作所 東京都 4
2 株式会社荏原製作所 東京都 2
2 第一生命保険株式会社 東京都 2
2 KDDI株式会社 東京都 2
2 株式会社三菱東京UFJ銀行 東京都 2
2 富士通株式会社 東京都 2
2 郵便局株式会社 東京都 2
2 ヤフー株式会社 東京都 2
2 株式会社中国銀行 岡山県 2
10 中央三井信託銀行 東京都 1
10 秀和特許事務所 東京都 1
10 株式会社アシックス神戸本社 兵庫県 1
10 株式会社カヤック 神奈川県 1
10 積水化学工業株式会社 大阪府 1
10 株式会社ジュピターテレコム 東京都 1
10 東洋エンジニアリング株式会社 東京都 1
10 株式会社ドワンゴ 東京都 1
10 工藤一郎国際特許事務所 東京都 1
10 株式会社みずほ銀行 東京都 1
10 新日本有限責任監査法人 東京都 1
10 株式会社メタルワン 東京都 1
10 太陽国際特許事務所 東京都 1
10 株式会社メディセオ 東京都 1
10 中国電力株式会社 広島県 1
10 株式会社ワコールホールディングス 京都府 1
10 王子製紙株式会社 東京都 1
10 株式会社愛媛銀行 愛媛県 1
10 近畿大学 大阪府 1
10 ウエストジヤパン興業株式会社 岡山県 1
10 山田ビジネスコンサルティング株式会社 東京都 1
10 株式会社三菱総合研究所 東京都 1
10 住友生命保険相互会社 東京都 1
10 シスメックス株式会社 兵庫県 1
10 正林国際特許商標事務所 東京都 1
10 ネクストウェア株式会社 大阪府 1
10 双日株式会社 東京都 1
10 株式会社大塚製薬工場 東京都 1
10 塩野義製薬株式会社 大阪府 1
10 アサヒグループホールディングス株式会社 東京都 1
10 中央電力株式会社 大阪府 1
10 医療法人医誠会本部 大阪府 1
10 田辺三菱製薬株式会社 大阪府 1
10 株式会社東京リーガルマインド 東京都 1
10 富士レビオ株式会社 東京都 1
10 株式会社日立物流 東京都 1
10 豊田市アパート協同組合 愛知県 1
10 共栄火災海上保険株式会社 東京都 1
10 株式会社オリエントコーポレ-ション 東京都 1
10 興和株式会社 東京都 1
10 株式会社島津製作所 京都府 1
合計 61

※「都道府県」は所属弁護士会の都道府県を記載。

企業就職者の増加

新64期生の企業就職者は、昨年、同時期で42名であったのが、61名に増加しています。昨年の例からすると、恐らく、これから半年の間に、比較的年齢の若い弁護士未登録者の中から企業に就職するものが更に出てくるでしょう。
また、新人弁護士の複数採用を決める企業も増加しています。訴訟業務を中心とする小規模弁護士事務所の新人弁護士採用の余力が縮小し、また、弁護士事務所として景気の見通しも立てにくいことから、多くの弁護士事務所は、新人弁護士採用については保守的になり、新人弁護士の初任給レベルも全般に下がってきています。そこで、企業就職につき極めて消極的であった修習生も、大手事務所の新人採用数削減、人員整理など市場の現実を見て、安定的な就職先として企業法務を視野に入れる人達が増えてきています。これまでの硬直的な法曹人材市場に変化が見え始めてきました。このような状況になり、これまで以上に企業が法曹資格者を採用しやすい環境になったということでしょう。法曹資格者を初めて採用する企業も増えてきています。これから組織内で新人弁護士どのように育てていくのか、わが国ではノウハウの蓄積が乏しいため今後の企業法務にとっての課題でしょう。一方、弁理士事務所やコンサルティング会社が、新人弁護士を雇用するケースも新64期生では目につき始めました。これらの組織で新人弁護士が、いわゆる組織内弁護士とは異なる立場でどのような役割を果たすのか、弁護士と非弁護士の業務の境があいまいになってくることが予想されます。

新64期生では企業就職が大幅に増加しましたが、前述のように司法試験に合格しても司法修習に行かず、中央省庁や日本銀行などへ就職の選択をした人達、司法修習を終えても弁護士登録を敢えてせず法曹三者以外に就職する人達など、法曹資格に拘泥せず新しい職域に就いた修了生も存在しており、明らかに修了生が新しい職域を拡大しつつあることが実感されます。

司法試験合格者数1500名体制は正しい選択か?

今回の調査での修了生の就職動向の新しい変化を鑑みると、日本弁護士連合会の会長選挙や一部の地方弁護士会の主張されるような法曹人口過剰を理由とする司法試験合格者数の大幅削減(年間1500名程度の司法試験合格者)は、法曹の活動領域を司法の枠内に留めることに囚われ、法曹三者以外への人材供給を妨げることになるでしょう。また、弁護士需要も一時的に景気の変動の影響を受けるものであることも忘れてはならないでしょう。今回の調査では、新人弁護士登録は東京三会で相当な減少となっています。 一方、地方での新人弁護士登録は、増加するところ、減少するところ様々であり、統一的な傾向は見つけ難くなっており、一部の法曹関係者が言うように地方の法曹人口が、一律飽和しているとも言えないようです。司法試験合格者を年間1500名程度というように大幅に抑えては、わが国での新しい法律専門家の活用可能性を狭めてしまい、更には、新しい法曹養成システムで育成されるわが国の若い人材の将来の芽を摘んでしまうことになるのではないでしょうか。

出典・免責事項・引用・転載等について
  1. 本調査は、最高裁判所広報課へのヒアリングや2012年2月現在の日本弁護士連合会等の公表データをもとに作成しています。また、新63期生の採用数については、「ジュリナビ」運営事務局調べ、 「新63期生司法修習生進路調査速報」 (2011年2月末日現在のデータ)より引用しています。
  2. 本調査はできるだけ正確性を保つよう合理的な努力をしましたが、所属弁護士数は日々変動し、かつ異動情報がタイムリーに日本弁護士連合会に提供されるとは限らないため、調査結果についてジュリナビとして完全性、正確性を保証するものではありません。
  3. 本調査に記載されたコメントはジュリナビ自身の見解であり、法科大学院協会や各法科大学院の見解とは一切関係はありません。
  4. 本調査に記載された調査、編集、分析された内容についてその一部又は全部につきジュリナビに無断で転載、掲載することを禁止させていただきます。
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