73期司法修習終了者の就職状況 ~6月時点~

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司法修習終了者1,500名台時代の就職状況

ジュリナビは73期司法修習終了者の6月末時点の就職状況調査を行いました。司法修習終了から6ヶ月が経過し、この数字が73期司法修習終了者の就職状況を最終的に表しているものとみなせるでしょう。

参考として、73期司法修習終了者の就職状況調査の1月時点調査 と4月時点調査 および比較のため72期司法修習終了者の6月時点調査の数値も掲載しました。

弁護士登録者数は、4月末時点から10名増の1,295名、司法修習終了者の全体に占める割合で見ると88.5%であり、72期の89.0%とほとんど同じになりました。今回の73期司法修習終了者の就職状況の調査結果からみれば、司法試験合格者数を1,500名程度に減らした結果は、全体の縮小均衡を生んだということになります。

弁護士未登録者は、4月末時点から10名減の37名であり、司法修習終了者の全体に占める割合で2.5%となっています。72期の弁護士未登録者は24名、司法修習終了者の全体に占める割合は1.6%であり、人数、割合ともに増加となりました。

弁護士登録者の内訳は、法律事務所所属の弁護士が4月末時点の1,197名(司法修習終了者の全体に占める割合81.8%)から4名減少し、1,193名(司法修習終了者の全体に占める割合81.5%)となりました。69期までは、司法修習終了後から6月末時点まで事務所所属弁護士数は増加し続けていましたが、70期から73期では、4月末時点から6月末時点で減少する結果となりました。わずか半年足らずの短い間ですが、この間に法律事務所以外への転職者が出た結果です。

組織内弁護士は、4月末時点の65名から若干増加して72名、司法修習終了者の全体に占める割合は4.9%になりました。72期の65名に比して、組織内弁護士は増加しました。即独推定者は、30名(2.0%)になりました。

73期司法修習終了者 就職状況

2021年
1月時点
2021年
4月時点
2021年
6月時点
男女別人数 2020年
6月時点(72期)
男性 女性
司法試験合格者 1,502 1,525
司法修習採用者 1,473 1,482
司法修習辞退者 29 43
司法修習終了者
(新規法曹有資格者)
1,464 1,099 365 1,487
判事補採用者 66
(4.5%)
42 24
[36.4%]
75
(5.0%)
検事採用者 66
(4.5%)
44 22
[33.3%]
65
(4.4%)
弁護士登録者 1,244
(85.0%)
1,285
(87.8%)
1,295
(+51)
(88.5%)
988 307
[23.7%]
1,323
(89.0%)
未登録者 88
(6.0%)
47
(3.2%)
37
(-51)
(2.5%)
25 12
[32.4%]
24
(1.6%)
弁護士登録者 1,244
(85.0%)
1,285
(87.8%)
1,295
(+51)
(88.5%)
988 307
[23.7%]
1,323
(89.0%)
事務所所属(即独除く) 1,173
(80.1%)
1,197
(81.8%)
1,193
(+20)
(81.5%)
917 276
[23.1%]
1,226
(82.4%)
組織内弁護士
(企業・公的機関・その他団体)
51
(3.5%)
65
(4.4%)
72
(+21)
(4.9%)
44 28
[38.9%]
65
(4.4%)
即独推定者 20
(1.4%)
23
(1.6%)
30
(+10)
(2.0%)
27 3
[10.0%]
32
(2.2%)

※2021年6月時点の±の数値は1月末時点との増減。各年各月時点の( )内の%は新規法曹資格者全体に対する割合。女性列の[ ]内の%は各属性における女性割合。
※組織内弁護士には法テラスの弁護士も含みます。

弁護士会別の採用状況は東京一極集中が加速

73期と72期の6月末時点の弁護士会別登録状況は以下の通りです。東京三会の採用人数を見てみると、72期が計765名(57.8%)で新人弁護士の約2人に1人が東京で就職しているという状況でしたが、73期はその傾向がますます強まり、計789名(60.9%)となりました。5大事務所を筆頭に大手渉外事務所の採用拡大の影響で、東京への一極集中がますます進んでいるようです。

一方、地方は東京一極集中の影響もあり、全体として採用数を落としていますが、特に愛知県や福岡県などの主要都市でも採用割合が大きく減少しているのは注目すべき点でしょう。また、73期は和歌山、鳥取県、旭川、岩手、函館、秋田、高知、釧路が採用人数0名となっており、特に釧路は連続で新人弁護士の採用人数が0名となっています。

司法試験合格者数を減少させたことで、地方への法曹供給にしわ寄せが出ているようです。また、地方の法科大学院の閉校や募集停止によりさらに地方への法曹供給は少なくなっていくことが危惧されます。

弁護士会別採用人数

弁護士会 73期(2021年6月) 72期(2020年6月)
採用人数
( )内は女性の人数
割合 採用人数
( )内は女性の人数
割合
第一東京 290 (82) 22.4%↑ 266 (58) 20.1%
第二東京 261 (61) 20.2%↑ 255 (60) 19.3%
東京 238 (58) 18.4%↓ 244 (69) 18.4%
大阪 136 (32) 10.5%↑ 133 (29) 10.1%
愛知県 50 (12) 3.9%↓ 72 (12) 5.4%
神奈川県 38 (10) 2.9%↓ 49 (9) 3.7%
福岡県 34 (5) 2.6%↓ 48 (11) 3.6%
兵庫県 28 (6) 2.2%↑ 19 (4) 1.4%
埼玉 26 (2) 2.0%→ 26 (5) 2.0%
札幌 24 (5) 1.9%↑ 20 (4) 1.5%
千葉県 21 (6) 1.6%↓ 22 (6) 1.7%
京都 16 (5) 1.2%↓ 26 (6) 2.0%
広島 15 (2) 1.2%↓ 16 (6) 1.2%
静岡県 15 (0) 1.2%↑ 12 (1) 0.9%
仙台 14 (2) 1.1%↑ 11 (1) 0.8%
長野県 8 (2) 0.6%↑ 3 (2) 0.2%
群馬 7 (2) 0.5%↓ 8 (0) 0.6%
茨城県 7 (1) 0.5%↑ 6 (0) 0.5%
金沢 6 (3) 0.5%↑ 2 (0) 0.2%
栃木県 6 (2) 0.5%↑ 4 (0) 0.3%
岡山 6 (2) 0.5%↓ 13 (7) 1.0%
山口県 5 (2) 0.4%↑ 4 (1) 0.3%
沖縄 4 (1) 0.3%↓ 5 (1) 0.4%
福島県 3 (0) 0.2%↓ 4 (1) 0.3%
香川県 3 (0) 0.2%↓ 5 (2) 0.4%
奈良 3 (0) 0.2%↑ 0 (0) 0.0%
三重 3 (0) 0.2%↓ 4 (1) 0.3%
島根県 2 (1) 0.2%↑ 0 (0) 0.0%
鹿児島県 2 (1) 0.2%↓ 7 (1) 0.5%
長崎県 2 (1) 0.2%↑ 0 (0) 0.0%
山形県 2 (0) 0.2%→ 2 (1) 0.2%
宮崎県 2 (0) 0.2%→ 2 (0) 0.2%
岐阜県 2 (0) 0.2%↓ 4 (0) 0.3%
山梨県 2 (1) 0.2%↑ 0 (0) 0.0%
福井 2 (0) 0.2%↑ 1 (0) 0.1%
新潟県 2 (0) 0.2%→ 2 (0) 0.2%
愛媛 2 (0) 0.2%→ 2 (0) 0.2%
熊本県 2 (0) 0.2%↓ 3 (0) 0.2%
徳島 1 (0) 0.1%→ 1 (0) 0.1%
佐賀県 1 (0) 0.1%↓ 2 (1) 0.2%
滋賀 1 (0) 0.1%↓ 2 (1) 0.2%
富山県 1 (0) 0.1%→ 1 (0) 0.1%
大分県 1 (0) 0.1%↓ 4 (0) 0.3%
青森県 1 (0) 0.1%↓ 3 (1) 0.2%
和歌山 0 (0) 0.0%↓ 2 (0) 0.2%
鳥取県 0 (0) 0.0%↓ 2 (0) 0.2%
旭川 0 (0) 0.0%↓ 2 (1) 0.2%
岩手 0 (0) 0.0%↓ 1 (0) 0.1%
函館 0 (0) 0.0%↓ 1 (0) 0.1%
秋田 0 (0) 0.0%↓ 1 (0) 0.1%
高知 0 (0) 0.0%↓ 1 (0) 0.1%
釧路 0 (0) 0.0%→ 0 (0) 0.0%
総計 1295 (307) 100.0% 1323 (302) 100.0%

大規模事務所の拡大、小規模事務所の減少進む – 我が国のリーガルマーケットの変化の兆候

事務所規模別の採用状況を見てみると、司法修習終了者採用の所属弁護士9名以下の事務所数は、72期では計521(71.4%)だったのに対し、73期では計435(65.7%)に減少しています。司法修習終了者採用の所属弁護士9名以下の事務所数は、採用人数でも72期が計571名(45.4%)に対し、73期は計480名(39.2%)と割合を落としています。

それから、司法修習終了者採用の所属弁護士10名以上の事務所も、事務所数は72期が209(28.1%)、73期は227(34.3%)となっており、増加しました。また、採用人数は全体の人数が減少する中で、司法修習終了者採用の所属弁護士10名以上の事務所は、72期の採用人数が計687名(54.7%)であるのに対し、73期は計743名(60.8%)と、人数、構成比も大きく伸ばしています。

規模の大きな法律事務所が採用を拡大し、司法修習終了者の最初の就職先として定着する一方、小規模事務所の採用は縮小し続けているようです。

73期事務所規模別の採用分布割合 (2020年6月)

事務所規模 事務所数 73期採用人数
事務所数 構成比 人数 構成比
50名以上 20 3.0% 382 (87) 31.2%
10~49名 207 31.3% 361 (89) 29.5%
3~9名 342 51.7% 381 (82) 31.2%
2名以下 93 14.0% 99 (21) 8.1%
総計 662 100.0% 1223 (279) 100.0%

72期事務所規模別の採用分布割合 (2020年6月)

事務所規模 事務所数 72期採用人数
事務所数 構成比 人数 構成比
50名以上 20 2.7% 348 (77) 27.7%
10~49名 189 25.9% 339 (77) 26.9%
3~9名 430 58.9% 471 (103) 37.4%
2名以下 91 12.5% 100 (17) 7.9%
総計 730 100.0% 1258 (274) 100.0%

(※ 即独推定者含む)

組織内弁護士採用は72期を上回る結果に

73期司法修習終了者の企業及びその他団体採用は72名で、司法修習終了者総数が昨年比で減少する中で昨年を上回りました。73期司法修習終了者の組織内弁護士採用数は、ビジネス法務領域における弁護士ニーズの伸びが高い状況にあることを表していると言えます。こうしたビジネス法務領域を中心とする組織内弁護士に対する需要に対し、法曹供給を抑制する法曹界は応えているとは言えません。

また、都道府県別で見てみると、組織内弁護士の約8割が東京で採用されており、次いで大阪や愛知、兵庫など、大企業の本社のある地域で採用されています。一方で、石川といった地方の中でも新人弁護士の採用に積極的な企業が存在しています。組織内弁護士のうち女性の占める割合は、72期が43.1%、73期は38.9%と約4割を占めており、司法修習終了者全体に占める割合24.9%と比べ、組織内弁護士が女性法曹資格者の職域として人気の高いことがわかります。

73期採用企業・公的機関・その他団体一覧

法人名 都道府県 採用人数
ヤフー株式会社 東京都 2
双日株式会社 東京都 2
西日本旅客鉄道株式会社 大阪府 2
東京電力ホールディングス株式会社 東京都 2
東海旅客鉄道株式会社 愛知県 2
丸紅株式会社 東京都 2
住友電気工業株式会社 大阪府 2
株式会社三菱UFJ銀行 東京都 2
大塚製薬株式会社 東京都 2
(その他1名採用企業) 54社 54
総計 72

73期企業・公的機関・その他団体の採用者の都道府県別割合

都道府県 採用人数
( )内は女性の人数
73期の組織内弁護士
全体に対する割合
東京都 54 (23) 74.9%
大阪府 11 (3) 15.3%
愛知県 4 (2) 5.6%
兵庫県 2 (0) 2.8%
石川県 1 (0) 1.4%
総計 72 (28) 100.0%

73期企業・公的機関・その他団体の採用者の業種別割合

事務所に就職するも即独する人は一定割合存在

73期司法修習終了者のうち即独推定者は、1月時点の20名(1.4%)から30名(2.0%)に増加しました。近年は、時の経過とともに即独推定者は増える傾向にあります。。

73期即独推定者

即独推定者 1月時点
( )内は女性
6月時点
( )内は女性
1月時点との差分
( )内は女性
事務所名あり 11(1) 23(2) +12(+1)
事務所名なし 9(2) 7(1) -2(-1)
総計 20(3) 30(3) +10(0)

(ジュリナビ運営事務局代表 鈴木修一)

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  1. 本調査は、官報、2021年各月時点の日本弁護士連合会等の公表データをもとに作成しています。
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  3. 本調査に記載されたコメントはジュリナビ自身の見解であり、法科大学院協会や各法科大学院の見解とは一切関係はありません。
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